結束バンドは今では建材部品としてだけでなく、学校や一般家庭でも物を固定するのに使用されている万能なアイテムです。
以前であればホームセンターなど業務用品を取り扱う小売店でしか入手できませんでしたが、今では100円ショップでも多種多様な種類とカラーで少量から購入できるようになっています。この結束バンドは1970年に日本で開発されたもので、世界に誇れる産業用品です。結束バンドでイメージすることは、一度バンドを締めると緩むことがないという特性です。
これは「トラッキング」という技術が使われており、バンドの裏面に凹凸加工を施すことによってバンドを一方向にしか動かせないようになっています。これにより、屋外にある電線やネームプレート・ソーラーパネルなど長期間の固定を想定されるものをしっかりと支えられるという訳です。
「トラッキング」という技術は、もともとは列車の連結箇所に用いられていたものです。一方向から連結箇所へと力を加えることで瞬時に客車同士をつなぎ合わせられ、連結を外す際は油圧シリンダーを手動で弱めて連結を解除できます。1930年に日本国内にある重工業会社が開発し、1947年には国際特許も取得したほどです。結束バンドには日本の産業界で誕生した画期的なアイデアが組み込まれており、身近なアイテムとなりました。今後も幅広い業界で使用され、その現場にあった姿・形となって更なる進化を遂げていくことでしょう。