電気設備のための配線材料として使われる結束バンドには、さまざまな種類があります。
電源ケーブル同士を束ねたり、ケーブルを市中に結び付けたりするのを主な用途とするこの製品は、使用される環境が非常に幅広いのが特徴です。たとえば屋外でも常に空調の効いたビルの一室で使われることもあれば、天井裏の配線ダクトや地下通路などで使われることもあります。屋外での使用環境は、さらにバラエティに富んでいます。そのため、それらの環境に合わせた製品が使い分けられます。屋外で使用される結束バンドには、特に耐久性に優れた製品が選ばれます。
たとえば室内用の製品として最もポピュラーなのはナイロン66という樹脂を素材としたもので、通常は白色です。これに対して屋外では、黒い色をした耐候性ナイロン66という素材のものが良く使われます。このタイプは温度変化に強く、通常のナイロン66に比べると製品寿命は2倍から4倍ほど長くなります。寒冷地では、さらに耐久性の高い製品が使われることもあります。
寒冷地は冬になると夜間の気温が非常に下がりますが、日中は直射日光を受けると物質の表面温度が気温以上に上がることがあります。結束バンドは、このような1日単位の温度変化にも耐えられるものでなければなりません。さらに、寒冷地では雪が降ると融雪剤や凍結防止剤を屋外に撒布することがよくありますが、これらの薬剤は塩化化合物を主原料としているので、塩害にも強い素材の結束バンドが必要になります。耐候性ナイロン12と呼ばれる素材は、耐塩性にも優れた能力を発揮します。